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色材の解剖学⑦ アルキド樹脂メディウム

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色材の解剖学では、色材に関する基本知識から専門的な内容まで制作に役立つさまざまな情報をご紹介します。

 

アルキド樹脂メディウム

油絵具の乾燥を速める

油絵具を早く乾かすには、乾燥剤(シッカチフ)を添加し、絵具の酸化重合(固化)を促進させる方法が一般的です。しかし、シッカチフは混ぜる量に制限がある上、乾燥に1日から数日かかるなど、いろいろな制約が伴っています。「もっと簡単に、早く乾かしたい」と思っている人も多いのではないでしょうか。そういう方にお奨めしたいのが、チューブ入りの各種アルキド樹脂メディウム製品です。パレット上で混ぜるだけで済み、乾燥も早くなります。
アルキド樹脂は20世紀初頭に工業化された比較的新しい合成樹脂で、乾性油同様、酸化により重合する性質を持っています。塗膜は強靭で、安定性も良いので、丈夫な作品がつくれます。
混ぜる量に制限はなく、多いほど早く乾きますが、種類に応じて絵具の透明度が増したりつやの状態が変わるなど、画肌の質感に影響します。しかし、こういった特性を利用することで、乾燥を早めるだけでなく、好みにあった画肌を積極的につくりだすことができます。

 

画肌の質感に合わせて使い分ける

アルキド樹脂メディウム製品には、以下のようなものがあります。乾燥時間とともに、自作の画肌の質感を考慮して適したものをお選びください。

ラピッド メディウム
メディウムの比較

とにかく乾燥の速いメディウムです。単独なら数十分で指触乾燥します。油絵具と一対一の割合で混ぜれば、乾燥の遅い色でも数時間で乾きます。(注1)
比較的淡色なので、白色にも使用できます。乾燥後もつやを保ち、非常に強い塗膜になります。タッチはあまり残りません。

ラピッド メディウム
メディウムの比較

適度の乾燥促進性とつやを持った、調和の取れたメディウムです。
ラピッド メディウムの乾燥が速すぎて、逆に不便を感じたとき便利です。筆やナイフのタッチがシャープに残ります。

ラピッド メディウム
メディウムの比較

いずれもつや消しの、タッチがしっかり残るメディウムです。ストロング メディウムに比べて、透明メディウムの方がより淡色なので使いやすいのですが、ワックスが入っているので、上に塗られる絵具の固着性をそこないます。下塗りにはストロング メディウムをお使いください。

ラピッド メディウム
メディウムの比較

上記のメディウム中、最も光沢と透明性に優れています。柔らかく、筆伸びが良いので透明技法にも向いています。

各製品は個々に独立したメディウムですが、自由に混合して性能調節できるのも魅力です。しかし、いかに便利とはいえ、描き出しから濫用すれば危険も伴います。使いすぎにご注意ください。アルキド樹脂メディウムの製品には、「ラピッド」「透明」「ストロング」など、それぞれの製品の特長を示した言葉がついています。選ぶときの目安としてください。
(注1) 塗膜150μm、気温25℃、湿度55%の条件下の目安です。 使用絵具や下地の状態などで数値は多少異なります。

 



色材の解剖学は順次資料室へ収録していきます。

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