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色材の解剖学⑪ 水彩絵具のメディウム

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色材の解剖学では、色材に関する基本知識から専門的な内容まで制作に役立つさまざまな情報をご紹介します。

 

水彩絵具のメディウム

水彩絵具に欠かせないアラビアゴム

アラビアゴム

水彩絵具を愛用している人は、展色材としてアラビアゴムが用いられているのをご存知と思います。では、その産地はどこか知っているでしょうか?「アラビア半島」と思っている人も多いようですが、スーダンを中心とした北アフリカ諸国が主な産地です。
アラビアゴムはアカシアセネガルというアカシア科の樹木から採れる水性の樹脂で、水によく溶けること、紙への接着性がよいこと、色彩に光沢と輝きを与えることなどから、専門家用水彩絵具に欠かせない展色材となっています。また、ちょっと意外に思うかもしれませんが、糖質で甘味があり、安全であることから、キャンディーや糖衣錠の外側、香料の乳化剤としても重宝されています。

透明水彩絵具とガッシュ

お湯に溶かしたアラビアゴムと顔料を練り合わせたものが水彩絵具です。透明水彩絵具もガッシュ(不透明水彩絵具)も、基本的な作り方は変わりません。ただ違うのは顔料と糊分であるアラビアゴムとの配合比です。透明水彩絵具は透明度を上げるために、顔料を少なくしてアラビアゴムの量を多くし、ガッシュは不透明にするために、顔料比率を高めてアラビアゴムを少なく配分して作られます。
市販の絵具にはこれら以外の成分も入っています。チューブ内で絵具を安定させ、湿潤な状態を保たせるためのグリセリン(多価アルコール)、腐敗やカビによる汚染を防ぐための防腐・防カビ剤などです。

絵具を自作してみる——アラビアゴム メディウム

ホルベイン水彩用メディウム・シリーズに、「アラビアゴム メディウム」があります。これはアラビアゴム、グリセリン、防腐剤を合わせた高濃度アラビアゴム溶液です。このメディウムを用いれば、誰でも透明水彩絵具を作ることができます。作り方はいたって簡単です。顔料をガラスか大理石にのせ、スポイトで「アラビアゴム メディウム」を少しずつ加えながら、練り棒やパレットナイフで練り合わせていきます。乾燥が早いので、手早く練るのがポイントです。「アラビアゴム メディウム」で透明水彩絵具を自作するメリットは、好みの配合、練り具合で、自分にあったオリジナルの絵具が作れることです。
また、ガッシュにこのメディウムを加えれば、透明水彩絵具になります。量の調整で透明度がコントロールできるので、表現力に幅が出ます。

アラビアゴム メディウム

アラビアゴム メディウム
容量:60ml

描画に用いる——ウォーターカラー メディウム

水彩絵具を使って描画しているときに、あると便利なのが、同シリーズで出ている「ウォーターカラー メディウム」(組成:アラビアゴム、酢酸)です。アラビアゴムそのものは濃度が高くなると粘度も高くなりますが、このメディウムはpHを調整することで粘度を低くしています。パレットの上で、水彩絵具と混ぜ合わせて使ってみてください。混ぜる際、あまり薄めすぎないのがポイントです。色の延びがよくなり、細線もきれいに出るようになります。重ね塗りするときは、上重ねの絵具にこのメディウムを混ぜると、さらに透明度が増し、深みのある発色になります。ただし、pHが酸性なので、酸に弱いウルトラマリン系の色(ウルトラマリンライト、ウルトラマリーンディープ、コバルトブルーヒューなど)には使わないでください。

ウォーターカラー メディウム

ウォーターカラー メディウム
容量:60ml

「アラビアゴム メディウム」と「ウォーターカラー メディウム」。水彩絵具に欠かせないアラビアゴムをベースにした2つのメディウムが、水彩画家の表現力やテクニックの幅を広げます。



色材の解剖学は順次資料室へ収録していきます。

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