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画材紹介「アクリリック[インク]×平田守」

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美術誌「美術手帖」の特集「注目の画材紹介」にて弊社製品が紹介されました。

美術手帖「注目の画材紹介」

さまざまな観点から開発された個性豊かな画材。
実際に使用してその使い心地を体感してみるのも作品の幅をひろげる一案だ。2人の気鋭アーティストが、頼れる画材との出会いと絵画の可能性について、自らの作品とともに語った。

アクリリック[インク]

水のようにさらっとしながら、「アクリリック カラー」シリーズ共通の力強い発色を実現したこれまでにない画材が[インク]。
その特徴と魅力について、話を聞いた。

注目アイテム

ITEM アクリリック[インク]
液状で力強い発色!
マーカー容器やエアブラシ、つけペンや筆で使用する場合でも水で薄めることなく、そのまま使用することができる液状アクリル樹脂絵具。耐光性にも優れ、乾燥後は耐水性の塗膜に。 [ヘビーボディ]や[フルイド]と同等の高い顔料濃度をもち、同じ色構成を採用。併用して各種メディウムと合わせることで、さらに多彩な表現が可能となる。全49色とメディウム2種をラインナップ。100ml、850円〜。全4種の専用詰め替えマーカー容器は450円~。

なかよしブルーライン(日割)

なかよしブルーライン(日割) 2016
木製パネルにマウント、化繊キャンバスにアクリル絵具(アクリリックカラー[ヘビーボディ]と[インク])、シルクスクリーン、エアブラシ 92×150cm

A.二人は兄妹のようなものですね? B.いや兄妹なのではない。片方は動物。片方は植物。残った方が我々の敵になるだけだ。

A.二人は兄妹のようなものですね? B.いや兄妹なのではない。片方は動物。片方は植物。残った方が我々の敵になるだけだ。 2016
木枠にマウント、綿キャンバスにアクリル絵具、ラメ、フィギュア、シルクスクリーン、エアブラシ、レーザープリント紙 162×162cm

多彩な技術に応えるアクリリック カラー シリーズ

筆にシルクスクリーン、エアブラシ、ペンなどを駆使し、絵画における「光」を問う平田守。多様な技術を使うゆえ、以前はそのズレを気にしたこともあったという。そこで重宝しているのが、アクリリックシリーズの粘度の違う3タイプだ。
「シルクでは硬い『ヘビーボディ』、筆では柔らかい『フルイド』、エアブラシやペンでは液状の『インク』を主に使います。シルクで物足りない部分に、昔はサインペンで描き足していたのですが、やはり浮いてしまう。しかし『インク』の場合、単一顔料が絵具と同じ濃度で使われていて、退色のない同等の発色が得られるんです」。
 4種の太さを揃える専用マーカー容器に、『インク』を流し込み使う。着脱不要のツイストキャップは制作リズムを崩さないのも嬉しい。「実験的に、考えながら描いている。直感的に使用できて、思考の速度に合っているんです」。
 近年関心を持つのは、スクリーンなど自ら発光する存在。パソコン上で立てたプランが、異なるメディアでどう現われるかを模索する。「キメ細かい『インク』をエアブラシで吹き付けると、絵具が光そのものに変わる瞬間がある。まさに絵画が発光しているような状態。フェルメールの光は外在的でしたが、絵に内在的な光は可能か。画材の進化が、そんな問題を問うことを可能にしてくれます」。
 取材時、卒業制作の真っ最中だった平田。今後は描き続けられる環境をつくることが目標と語る。絵画の古典的問題と現代の感覚をつなぐ、彼の挑戦は続く。

制作風景1

6mmの専用マーカー容器を使って《なかよしブルーライン(日割)》を描く平田

制作風景2

インクは簡単に混色して自分の好みの色をつくることができる

平田守さん

平田守(ひらた・まもる)
1989年埼玉県生まれ。多摩美術大学美術学部絵画科油画専攻在籍。2014年には『初めての油絵レッスン』(マール社)を監修。16年「ワンダーシード」入選。


美術手帖 17年3月号

掲載元:
美術手帖 17年3月号
文/杉原環樹・編集部
撮影/稲葉真(作品図版、画材を除く)