絵具、絵画材料のホルベイン

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アーティストインタビュー 門田光雅

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次代を担うアーティストの背景、作品に対する思い、メッセージを伺い、その素顔に迫る「アーティストインタビュー」。今回は第23回ホルベイン・スカラシップ奨学生であり、現在画家として精力的に活躍中の門田光雅氏にお話を伺いました。



日本からしか見えない表現に会うために。

表現への兆し

絵を描くこととの出会いは、父が印象派を真似て描いていて、幼い頃からそれを見ていたんです。絵ってかっちり描くものだと思っていたのですが、人を点で表現していたのがとても不思議で新鮮でした。僕の光雅って名前も絵本作家の安野光雅さんから名付けたもの。私の親も絵の世界が好きだったようです。

思い出すのは、小学5年生の時。学校の授業で「荒海を行く」というテーマで絵を描いたんです。絵具を絞り出し、全部使いきって、手を使ったりしてすごい勢いで描いたんですよ。僕はとにかく波を描きたかった。その様に同級生も驚いていましたね。表現すること、絵の道を意識し始めたのは、きっとこの頃だと思います。

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僕の絵は、自分の気持ちとシンクロしている部分が強いです。ホルベインスカラシップに選ばれた2008年は、アトリエはあるのに家がないっていう、半分ホームレスな状況でした。この頃はとてもキツかったですね。作品を見返してみると「木枯らし」っていうタイトルがついてますから(笑)。奨学生レポートを、深夜のマクドナルドを転々としながら書いていました。その文章も、振り返ってみると暗いんです(笑)。でも、そういう経験が今の自分をつくっていると思っています。

その後、結婚して子どもが生まれたあたりから、作品も明るくなってきました。子どもができると、やはり未来に目が向くんです。希望がもてるような作品を残したいなっていう気持ちになったんです。

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新しい地平

僕の生まれ故郷は、ほんとに田舎で海しかない。ずっと続く波のうねりが自分の中で大きなモチーフになっていて、気持ちを改めてステイニングを始めた時も、水のうねり、勢いを感じていた体験が今の作品に影響を与えているのかなと思います。

アトリエにアクリリック カラーが溢れていますが、ホルベインのアクリル絵具は、昔からずっと愛用しています。描いていて気持ちいいし、自分がつながる感覚があります。油彩にはない乾いた感じ、シャープさがとても好きです。新しい、見たことがない表現の可能性に巡り会うため欠かせないものですね。

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僕が描いている抽象表現は西欧で生まれた表現ですが、その歴史や文化を取り入れながら、日本の抽象表現を新しく開発していきたいんです。何年か前から不十分な作品がアトリエに貯まっていて、それに加筆して新たな表現ができないかなって思ったんです。「わらしべ」っていう作品がそうなんですが、わらしべ長者みたいに、価値がないものに価値を与えていく感覚でやったら、自分の殻をやぶった感じがしたんです。

画家も社会の一員です。みんなにとって何か価値になる、日本という自分が生まれたこの国でしかできない表現を追求していきたい、それが僕の一番強い思いです。

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わらしべ
45 warashibe 45
2018 Acrylic and Carborundum on cotton 2274× 1820mm




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プロフィール

門田光雅

Mitsumasa Kadota

1980年、静岡県生まれ。東京造形大学卒業。2008年、第23回ホルベイン・スカラシップ奨学生。


個展
2019年「Reform」/ギャラリーヴァルール (愛知)

2018年「ART colours Vol.27 門田光雅 TELEPORT PAINTINGS 展」/パークホテル東京(東京)

2018年「非時(ときじく)の絵画」/M画廊 (足利)

2017年「ULTRA」/SEZON ART GALLERY (東京)他多数

グループ展
2018年「MATSUBA COLLECTION」/EUKARYOTE (東京)

2017年「CYA!Modern/セイヤー!モダン 〜 to the next stage」/SEZON ART GALLERY (東京)

2017年「美藝礼讃ー現代美術も古美術も」/セゾン現代美術館(軽井沢)他多数


https://mitsumasakadota.com