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画材紹介「アクリリック カラー[ヘビーボディ]アクリリック カラー[フルイド]×大久保 如彌」

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美術誌「美術手帖」の特集「注目の画材紹介」にて弊社製品が紹介されました。

美術手帖「注目の画材紹介」

さまざまな観点から開発された個性豊かな画材。
実際に使用してその使い心地を体感してみるのも作品の幅をひろげる一案だ。2人の気鋭アーティストが、頼れる画材との出会いと絵画の可能性について、自らの作品とともに語った。

アクリリック カラー[フルイド][ヘビーボディ]

対象の物質感とリアルさに加え、全体の鮮やかさを表現するために大久保如彌が行き着いた画材が[フルイド]。その特徴と魅力について、話を聞いた。

注目アイテム1

ITEM 1 アクリリック カラー[フルイド]
筆はこびの軽さとしなやかさが抜群
水を混ぜることなく軽快な筆さばきを味わえる粘度の低さと、重ね塗りなしでも実感できる発色のよさが特徴。滑らかな平塗りやグラデーション表現にも適し、垂らし込みやエアブラシ、イラストといった多様な手法・領域に応用できる。全60色、35ml、360円〜。

注目アイテム1

ITEM 2 アクリリック カラー[ヘビーボディ]
発色のよさが 表現を豊かに!
単一顔料による鮮やかな発色と光沢性を極めたアクリル絵具。堅牢性や耐水性に優れ、重ねても濁らないピュアで力強い色の鮮度を保つ。全113色と色数も豊富。ステイニングなどの技法や、油絵具のような重厚な画面づくりにも最適。全113色、20ml、250円〜。

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The girls are walking to the house with the wolfs 2015
パネル、綿布にアクリル絵具 116.7×91cm
© Naomi Okubo Courtesy of GALLERY MoMo

Girls wanna be like a flower#2

Girls wanna be like a flower#2 2015
パネル、綿布にアクリル絵具 72.7×60.6cm
© Naomi Okubo Courtesy of GALLERY MoMo

色そのものと言える絵具

自身の衣服や日用品も取り込みながら、メディアが流布する「理想的」な女性像を批評的に描いてきた大久保如彌。「Photoshop」で構図をつくり、それを絵画にするが、パソコンのモニターに匹敵する発色の良さを実現するのは、なかなか難しかったという。
「私の絵画にとって彩度は非常に重要です。以前は際立たせたい箇所にガッシュを乗せていましたが、アクリリックシリーズに出会い使わなくなりました。“色そのもの”と言えるほど綺麗な色に驚きます。水なしでも筆さばきがいいのも、嬉しいですね」。
 異なるイメージをつなぎ合わせた架空の世界。抽象的になりがちなその場所にリアリティーを与えるのは、作品の「工芸的な美しさ」だと語る。「その意味で、精巧な工程から生まれる絵具は、素材としての強度が心強い。絨毯などのモチーフは実際に画布を直接染めるのですが、まるで本物の繊維品のような質感が実現できます」。
 柔らかいモチーフを[フルイド]で、硬質なモチーフは[ヘビーボディ]で描くなどして、使い分ける。あらゆるシーンや技法への応用力の高さと、どの場面でも同じように発揮される濁りのない発色のよさは、このシリーズの大きな魅力だ。「粘度の低いフルイドは垂らし込みやエアブラシ、ハッチングにも最適。物質感があるヘビーボディは油絵具に近い感覚です」。
「画材は単なる材料ではなく、できることを広げてくれるもの」と大久保。今後は鮮やかな画面と展示空間を共鳴させるインスタレーションにも挑戦したいと語る。

制作風景1

フルイド2色を混色して《Girls wanna be like a flower#2》の花びらを描く

制作風景2

フルイドは粘度が低いため水を加えずとも混色が可能

大久保 如彌さん

大久保 如彌(おおくぼ・なおみ)
1985年東京都生まれ。2011年武蔵野美術大学大学院修士課程修了。16年1月16日から2月13日まで個展「THIS IS NOT MY LIFE」(GALLERY MoMo Ryogoku、東京)開催。


美術手帖 16年3月号

掲載元:
美術手帖 16年3月号
文/杉原環樹・編集部
撮影/稲葉真(作品図版、画材を除く)