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透明水彩と不透明水彩〈ガッシュ〉の違いと使い方

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透明水彩&不透明水彩〈ガッシュ〉それぞれの違いや使い方を知り、水彩絵具の扱いをマスターしましょう!

水彩絵具には透明水彩絵具と不透明水彩絵具があります。
ここではそれぞれの違いや使い方を説明しています。違いと使い方を知り、水彩絵具の扱いをマスターしましょう!

1. 透明水彩絵具と不透明水彩絵具〈ガッシュ〉の特徴

透明水彩絵具

透明水彩絵具

特徴

  • 塗り重ねによる透明感を活かせる
  • 淡く繊細なタッチ
  • 発色が鮮明
不透明水彩絵具〈ガッシュ〉

不透明水彩絵具〈ガッシュ〉

特徴

  • 下層を覆い隠せる隠蔽力
  • 重厚で力強いタッチ
  • 優れた耐光性

2. 同じ絵を透明・不透明絵具で塗って比較してみよう

透明水彩絵具

透明水彩で塗ったアジサイ

「下地を透かして見せる透明画技法」に向いています。

不透明水彩絵具〈ガッシュ〉

不透明水彩で塗ったアジサイ

「下層を覆い隠す不透明画技法」に用いられ、一般的に「ガッシュ=不透明水彩」と考えられています。

3. 成分から見る違い

そもそも水彩絵具は何からできてるの?

水彩絵具の成分

顔料と糊で出来ています。
透明水彩絵具は、顔料(色の粉)とその顔料を紙に定着させるための糊(展色材)からできており、ホルベイン透明水彩絵具の展色材には良質なアラビア ゴムを使用しています。

透明と不透明の大きな違いは?

透明・不透明の配合比の例

配合比が違います。
透明水彩絵具と不透明水彩絵具の違いは顔料(顕色材)とアラビア ゴム(展色材)の配合比が大きく関係してきます。
透明水彩絵具は顔料を少なくしてアラビア ゴムの量を多くし、不透明水彩絵具〈ガッシュ〉は逆に顔料比率を高めてアラビア ゴムを少なく配分して作られています。
透明水彩絵具は糊成分が多いために絵具の透過性が高まり、顔料が多く糊成分が少ない不透明水彩絵具〈ガッシュ〉は、絵具の奥深くまで光が届かないため不透明に見えます。
※色によって比率が変わります。画像はあくまでイメージです。

4. 使い方から見る違い

水彩絵具はどうやって溶くの?

透明水彩絵具の溶き方

透明水彩絵具

淡くぼかしたり、にじませたりするので多めの水でサラサラに溶く方がいいでしょう。

不透明水彩絵具の溶き方

不透明水彩絵具〈ガッシュ〉

油絵具のように重ね塗りが自由にできるので少なめの水でクリーム状に練る方がいいでしょう。

絵具の使い方は?

透明水彩絵具の使い方

透明水彩絵具

絵具が乾いても濡れた筆でなぞればまた描けますので、パレットに絵具を固めておくことができます。

不透明水彩絵具の使い方

不透明水彩絵具〈ガッシュ〉

絵具が乾くと使えないので、その都度使う分だけパレットに出します。使い終わったらパレットは洗いましょう。

5. 仕上がり、技法から見る違い

実際に塗るとどうなるの?

透明水彩を塗る

透明水彩絵具

背景色が透ける

不透明水彩を塗る

不透明水彩絵具〈ガッシュ〉

背景色を覆い隠す

色を塗り重ねた際、下地が透けて見える色を「透明色」、下地を覆い隠してしまう色を「不透明色」と言います。
透明水彩絵具は色を混ぜたり、色を塗り重ねることできれいな混色を表現できます。
不透明水彩絵具は下の色の影響をそれほど受けずに色を塗ることができるので、塗りムラがでにくく、重ね塗りを楽しめます。

明るくしたいところやハイライトはどうするの?

透明水彩でのハイライトの出し方

透明水彩絵具

紙の地色で表現
下の色が透けるため、あまりたくさん塗り重ねない方がいいでしょう。
塗り重ねると透明感が失われるので、ハイライトの表現は紙の地色を使って表現しましょう。
マスキングインクなどを使った白抜きもおすすめです。

不透明水彩でのハイライトの出し方

不透明水彩絵具〈ガッシュ〉

白で塗りつぶす
色を明るくするにはホワイトの絵具を混ぜます。
塗り重ねても下の色は見えないので、明るい色を後から塗ることができます。
ハイライトは最後に入れるといいでしょう。

6. チューブ以外の水彩絵具

水彩絵具はチューブ以外に固形のものもあります。固形水彩絵具は限られたスペースでの制作や野外スケッチに便利です。

パンカラー

パンカラー(固形透明水彩絵具)

ケーキカラー

ケーキカラー