「ヴェルネ」高品位画用液シリーズ
「ヴェルネ」高品位画用液シリーズ
高品位油絵具「ヴェルネ」の品質と特性を最大限に引き出す画用液。スタンド油(加熱重合油)をベースに厳選した天然樹脂を用いています。黄変を抑えて、これまでにないツヤと堅牢性を実現しました。「ヴェルネ」以外の油絵具にも使用できます。また、塗膜の丈夫さを重視するスタンド(アマニ油)ベースと、黄変の少なさを重視したポピー(ケシ油)ベースがあります。
VO 701 スタンド リンシードオイル
加熱重合させたリンシードオイル。リンシードオイルやポピーオイルよりも黄変が少なく、絵具に混ぜることで、塗膜の強度と柔軟性を増し、透明感と光沢のある画肌を作ります。従来のスタンドリンシードオイルよりも重合度が低く、描画に適した粘性を持っています。
外観:淡黄色透明高粘度油
主用途:柔軟性、光沢の付与
成分:重合アマニ油
酸価:10以下
引火点:260℃以上
VO 703 ペンチング ワニス(リンシードタイプ)
スタンドリンシードオイル、ダンマル樹脂、ベネシャンターペンタインをベースにした本格的な調合油。一般的な調合油に比べ、樹脂を多く含んでおり、天然樹脂特有の艶と透明感が得られます。下描きから仕上げまで使用でき、グレーズ技法にも適しています。ベネシャンターペンの配合により、糸を引くような描画感が楽しめます。
外観:淡黄色液体
主用途:光沢の付与、固着性の向上、グレーズ技法
成分:テレビン油、重合アマニ油、ダンマル樹脂、ベネシャンターペンタイン
引火点:32.5℃
VO 705 ハンス メディウム(リンシードタイプ)
スタンドリンシードオイルに、直接ダンマル樹脂を溶解させたソルベントフリーのメディウムです。スタンドリンシードオイルとダンマル樹脂の組み合わせにより、黄変が少なく、柔軟性に富んだ塗膜となります。そのまま絵具に混ぜると、厚みを持った透明層が描けます。また、テレビン油等の溶剤と自由に混ぜることができ、溶剤量を加減することで、下描きから仕上げまで使用できます。
外観:黄色高粘度メディウム
主用途:光沢の付与、固着性の向上、グレーズ技法
成分:重合アマニ油、ダンマル樹脂
引火点:260℃以上
VO 702 スタンド ポピーオイル
加熱重合させたポピーオイル。スタンドリンシードオイルより、黄変はさらに少なくなりますが、画面強度は劣ります。絵具に混ぜることで、塗膜の強度と柔軟性を増し、透明感と光沢のある画肌を作ります。スタンドリンシードオイルと同様、描画に適した粘性を持っています。
外観:淡黄色透明高粘度油
主用途:柔軟性、光沢の付与
成分:重合ケシ油
酸価:10以下
引火点:270℃以上
VO 704 ペンチング ワニス(ポピータイプ)
スタンドポピーオイル、ダンマル樹脂、ベネシャンターペンタインをベースにした本格的な調合油。一般的な調合油に比べ、樹脂を多く含んでおり、天然樹脂特有の艶と透明感が得られます。下描きから仕上げまで使用でき、グレーズ技法にも適しています。リンシードタイプより、さらに黄変が少なくなりますが、画面強度は劣ります。
外観:淡黄色液体
主用途:光沢の付与、固着性の向上、グレーズ技法
成分:テレビン油、重合ケシ油、ダンマル樹脂、ベネシャンターペンタイン
引火点:34.3℃
VO 706 ハンス メディウム(ポピータイプ)
スタンドリンシードオイルに、直接ダンマル樹脂を溶解させたソルベントフリーのメディウムです。スタンドリンシードオイルとダンマル樹脂の組み合わせにより、黄変が少なく、柔軟性に富んだ塗膜となります。そのまま絵具に混ぜると、厚みを持った透明層が描けます。また、テレビン油等の溶剤と自由に混ぜることができ、溶剤量を加減することで、下描きから仕上げまで使用できます。
外観:黄色高粘度メディウム
主用途:光沢の付与、固着性の向上、グレーズ技法
成分:重合ケシ油、ダンマル樹脂
引火点:270℃以上
現代の技術でよみがえる古典画用液
東京藝術大学 油画技法材料研究室とホルベイン工業技術部が、名画の時代の古典画用液を現代の材料と技術で復活させました。また、マスチックワニスの復刻やターペンタインを出発点とした新たな揮発性溶剤など、様々な研究から生まれた画用液です。
VO 711 ブラック オイル
重合アマニ油に鉛白を加え、加熱して作られる古典画用液。油絵具の乾燥を速め、色に深みを与えます。 画面は黄変も少なく、滑らかで光沢のある画肌ができます。ブラックオイル特有の褐色は、乾燥するにつれて淡くなります。
外観:濃褐色高粘度油
主用途:速乾性の溶き油、光沢の付与
原料:重合アマニ油、鉛白
引火点:260℃以上
他社製ブラックオイル(左)とヴェルネブラックオイル(右)。それぞれ HOC パーマネントホワイトと混ぜ、暗所で約4ヶ月静置した後の塗膜状態。ヴェルネ ブラックオイルは黄変が少なく、油絵具との馴染みも良いのでダマのない滑らかな塗膜が得られます。
VO 712 マスチック ワニス
マスチック樹脂をテレビン油で溶かした描画用ワニスです。細密描写に適します。 また、ブラックオイルと一対一で混ぜて一時間ほど静置すると、メギルプと呼ばれるゼリー状メディウムを作ることができます。
外観:黄色透明液体
主用途:メディウム自製時のワニスとして固着力と光沢の付与、ブラックオイルと混ぜ、メギルプの自製用として使用
成分:マスチック樹脂、テレビン油
沸点:150~220℃
引火点:35℃
静置状態ではゼリー状をしていますが、筆やナイフでかき混ぜると半液状になって伸びがよくなります。絵具が乾かないうちに次々とタッチを重ねることができると同時に、伸びの良さを利用して滑らかなグラデーションも表現しやすいという相反する性能を併せ持ちます。
VO 713 ターペンタイン ストロング
テレビン油にテルペンアルコールを加え、溶解力を増した揮発性溶き油です。揮発速がやや遅いので、余裕をもって作業がおこなえます。また、滲みが少ないため輪郭のはっきりした線が引きやすくなります。
※自作のメディウムやワニスを作る際にもご使用いただけます。
※強い溶解力によってワニス層を溶かすことがあるため、樹脂分を多く含む描画層に使用する際は注意が必要です。
外観:淡黄色透明液体
主用途:油絵具、画用液の希釈
成分:テレビン油、テルペンアルコール類
沸点:150~220℃
引火点:35℃
油絵具をターペンタイン(左)とヴェルネ ターペンタイン ストロング(右)で溶き、アクリルジェッソ地に塗布したもの。ターペンタインでは色が沈み、細い線が滲んで太くなっていますが、ヴェルネ ターペンタイン ストロングは滲みにくく、操作性に優れているのがわかります。
スタンド油の特徴
スタンド油は酸素が入らない状態で加熱重合させた油で、乾燥は遅いですが強靭で柔軟な塗膜を作ります。
ヴェルネ画用液シリーズの分布図
画用液は目的に応じて使い分けます。それぞれの役割は分布図をご参考ください。
「ヴェルネ画用液」シリーズはどんな油絵具と併用しても高い効果が得られます。
【ご使用時の注意点】
★乾性油やシッカチフが付着した布や紙類を放置しておくと発火の危険性があります。
★廃棄の際は、本カタログ裏表紙の「油絵具の安全な扱い方」をよく読み、注意して捨ててください。
★使用後そのままキャップを閉めますと固まって開かなくなります。
★使用後はビンの口とキャップの内側を拭いてキャップを完全に閉めてください。
★容器は中身を完全に使いきってから捨ててください。