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第36回 ホルベイン・スカラシップ奨学生が決定しました!

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第36回 ホルベイン・スカラシップ

スカラシップ実行委員会はこの度、厳正な審査の結果、187名の応募者より第36回スカラシップ奨学生として新たな7名を選出いたしました。
たくさんのご応募を頂きまして誠に有難うございます。

 

ホルベイン・スカラシップ実行委員会は、下記 7名を第35回の奨学生として認定いたします。(敬称略)

小西 梨絵 佐竹 真紀子 神 祥子 谷崎 桃子
田村 正樹 ムラカミ ナナミ 山口 由葉  

 

審査員講評

今井 俊介(美術作家 /第 22 回ホルベイン・スカラシップ奨学生)

応募総数は若干の減少があったとのことだったが、内容としては昨年に比べ遜色のないものだったように思う。昨年の総評でも述べたが、現時点での完成度というよりも、この先どうなっていくのかを見てみたい方を選ぼうと心がけた。全体の感想としては、自分という個から始まる表現が多かったように思う。その割には結果として似通った表現や世界観が多かったように感じたのは時代というものもあるのだろう。つくることのスタートはそこでいいが、もう一歩先にこそ面白く、時間をかけて取り組むべき問題があるような気がする。それを手に触れることができるかどうかが作家としての本当のスタートなのではないか。
選考された方はもちろん、残念ながら選外だった方もそれぞれが、やりたいこと・やるべきこと・できることが完全に噛み合わない中で、それでもどこかに軸足を置いてもがきながら作り続けていくしかないのだろうと思う。

 

伊藤 悠(HARUKAITO ディレクター/ギャラリーオーナー)

層に重なったポートフォリオを前に、一人一人のことを想像しながら、ページをめくる。その1枚1枚の奥に、リアルにつくられた作品があり、その作品をどこまで読み込めるか、緊張する瞬間だ。限られた枚数の中で表現を伝えるのは難しいことでもあると思うが、その中でも、「この人はこういうことをしようとしている」というものをいかに伝えるかをぜひ意識して作っていただけたら嬉しい。そういう取り組みがみえたものを選び、さらにその中から審査員のメンバーと相談しながら絞っていく。結果、個性的な7名になったと思う。
ぜひ、画材を試し、せっかくだからやってみたかったことに挑戦していただけたら、その展開を楽しみにしています。

 

神山 亮子(府中市美術館学芸員)

コロナ禍が着実に終息に向かい、密になることが許され、3年前のくらしが戻ってきました。「もとどおり」になることが、経済をはじめとするあらゆるところで切望されています。一方で、この3年間を耐えた私たちは、失い続けた空白の時期を過ごしただけではないことを、証明したいという気持ちを持っているのではないでしょうか。
審査のためホルベイン・スカラシップ応募者たちのポートフォリオに目を通して、多くの作家たちのこの3年の営みを受けとめました。
最終審査に残った作家たちは、自らの感性を歴史や異文化や技法などに照らし合わせて、それぞれに独自の世界観を構築している点で共通しています。それらは隔離期間に形成された、というような単純な話ではないでしょうが、コロナ禍を耐え抜く強さが彼女/彼らをここまで引っ張ってきたことは事実です。その強さに自信を持ち、さらなる展開をめざしてください。

 

ホルベイン・スカラシップについて

ホルベイン・スカラシップ奨学制度は、優れた芸術作品の創造と美術界の発展を願い、国内で活動する作家を支援するためのCSR活動として発足いたしました。当奨学制度では、作品の形態を問わず色材(油彩・アクリル他)を必要としている作家に対して、ホルベインの取り扱う多様な材料・用具を提供することでその活動を支援いたします。