HISTORYホルベイン油絵具進化の歴史
1930年代
ホルベイン
「ヴェルネ油絵具」
HOLBEIN SUPERIOR ARTISTS' OIL COLORS VERNET
昭和8年(1933年)、吉村商店の大阪・小阪工場の一部に「ホルベイン洋画材料研究所」を設立。諸外国の絵具、画用液の分析研究を始めると共に、技術者を東京・桜木絵具※に出向させ、厳重な技術指導と品質管理を学びました。
※日本で最初に洋画用絵具をつくったのは東京の花廼家(はなのや)と言われており、そこから独立した花廼家二代目によるブランドが桜木絵具。1914~15年頃から製造していたようです。
当時提携発売していた桜木絵具を改良し、名称をヴェルネ油絵具に変えて発売しました。
これより日本の代表的画家の梅原龍三郎、石井拍亭、三宅克己、鍋井克之、小磯良平、田村孝之介、宮本三郎、小出楢重などの意見を求め、品質の改良に努力し、油絵具を製造するノウハウを蓄積しました。
2007年
「油一」
(東京藝術大学と共同開発)
OIL COLORS YUICHI
2002年より、東京藝術大学と理想的な油絵具の共同開発が開始。
これまでホルベイン油絵具は、発色性、堅牢性、安定性をはじめ、全ての人の満足に応えようと商品開発をしてきました。
「良い絵具とは何か」、この普遍的なテーマへの取り組みは絵具会社の宿命ですが、大変難しいものがあります。何故なら画家個々人で考え方、表現方法が異なるからです。
そこで、画家の持つ感性、または油絵具の特性が画家に与える要素を研究することで「理想的な油絵具」が見えてくるのではないかという考えに至り、藝大との研究がスタート。
藝大側から出された要素は「絵具は柔らかく、のびが良く、肌理(きめ)が細かく、光沢がある」というものでした。
産学共同で完成した商品「油一(ゆいち)」は今日、多くの画家に大きなインパクトを与え、高い支持を得ています。
2008年
水可溶性油絵具
「デュオ」
HOLBEIN WATER SOLUBLE OIL COLOR "DUO"
もっと手軽に油絵具を使ってほしい、そんな想いから開発したのが水で溶ける油絵具「デュオ」です。
揮発性の溶剤を使わずに水でやわらかくしたり薄めたりできるため、アトリエはいつも快適です。
また、水で溶いたデュオなら、従来の油絵具では得られなかった表現も可能です。たとえば、細く濃い線描によるハッチングや、水独特の流れや滲みを生かした画肌など、油彩表現の可能性をさらに拡げてゆく画期的な油絵具です。
2010年
高品位油絵具
「ヴェルネ」
HOLBEIN SUPERIOR ARTISTS' OIL COLORS VERNET
原点とも言える「ヴェルネ油絵具」。新しいヴェルネには、ホルベインが誇る最新テクノロジーが投入されています。 有色顔料と油のみの原始的な処方を用い、ミクロン単位で粒子サイズを調整する最新鋭の生産機と現代の匠の技を駆使。
巨匠たちが想像もできなかったであろう新しい顔料も積極的に取り入れ、古典の時代には存在し得なかった発色となめらかさが実現しました。
ホルベインの油絵具にかける情熱と、永年の絵具づくりのノウハウが結集された高品位油絵具「ヴェルネ」から、油彩画の新世紀が始まろうとしています。